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からだにいい家のつくり方vol・8

こんにちは。

今日は、家にかかる費用についてお話したいと思います。

せっかく家を建てるなら、少ない費用で満足出来る家を建てたいというのが、皆さん共通の 思いなのではないでしょうか?

しかしながら、満足度を上げればコストも上がり、コストを削減すれば満足度も下がると いうのが、よくあるケースですね?

それでは、「建築費と維持費用」 削減するならどっち?

まず、家にかかる費用を、「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」に分けて考えてみます。 イニシャルコストとは・・・家を建てる時にかかる費用で建築費や登記費用や火災保険などの費用 ランニングコストとは・・・住み始めてからかかる費用で光熱費やメンテナンスにかかる費用

イニシャルコストとランニングコストを合わせたコストを「生産コスト」と呼びます。

長く住み続けたいと思ったら、この「生産コスト」がどのくらいかかるかということを重視したいですね。

できるだけコストを抑えたいなら、面積を小さくしたり、間取りや形をシンプルにしたり、材料や設備の スペックを落としたり・・・と建築費の削減方法は様々あります。

しかし、このとき大切なのは、30年後、40年後までのランニングコストをイメージしてみるとことです。 というのも、光熱費や修繕費は住み始めてから削減しようと思っても、簡単には下がらないからです。

いたずらに光熱費(断熱性能)や修繕費(耐久性)に関する建築費を削減すれば、ランニングコストが 高くなり、長く住むほどお金がかかる家になってしまいます。

“人生100年時代にあなたならどこに予算をかけますか?”

断熱性能が高い高性能住宅と断熱性能を落としたローコスト住宅で、どれだけ冷暖房の差があるのか 同一敷地内に隣り合わせで実験棟を建てて、比較した結果がありますのでご紹介します。

実験棟の大きさは1.5坪、断熱材(屋根・壁・床)は高性能住宅は、硬質ウレタンパネル、ローコスト住宅は グラスウール、サッシはどちらも樹脂窓+複層ガラス、外壁材はサイディング、冷暖房機器はエアコンと 断熱材以外は、すべて共通の仕様での実験結果です。

暖房費用の計測結果は・・・ 高性能住宅は月1千725円、ローコスト住宅は、2千300円と1ヶ月で575円もの差が出ました。 実験棟は、1.5坪ですから、これを一般的な35坪の家に換算すると冬の4ヶ月間の電気代の差は約5万2千900円 にもなることが分かりました。  夏の冷房費用の計測結果は、同じく4ヶ月間で約3万1千500円でした。

夏・冬の8ヶ月間の電気代の差の合計は、8万4千円以上にもなりました。 月々の負担に換算すると7千円の差となります。 この金額を毎月の借入の返済に充てると、35年返済で約260万円の借入額の返済金額と同等になります。


高断熱にする(イニシャルコストをかける)かどうかで、冷暖房費のランニングコストの差は歴然となりました。

最近では、太陽光発電を取り入れて年間の電気代をまかなおうというゼロエネルギー住宅(通称ZEH/ゼッチ)が 増えています。 今後、燃料の価格高騰が予想され、先行投資として、家を建てるときに太陽光発電を取り入れるのも選択肢の1つです。 毎月の電気代を太陽光発電でまかない、余った電気を売電できるのでお得ーとついつい導入したくなりますね。

一旦冷静に考えてみましょう。

断熱性能を上げれば冷暖房費用は下がります。 冷暖房に使用する電気が少なければ、太陽光パネルも少なくてすみます。 売電にまわせる量も増えます。 太陽光発電をお得に使うためにも、断熱性能を上げることが先決で

太陽光パネルは後からでも載せられますが、後から断熱性能を上げようと思っても大がかりな改修工事になるので 費用がかかってしまいます。

家が高い安いの判断基準を、住宅会社から提示された見積金額(イニシャルコスト)だけで判断するのは非常に安易で 危険な判断と言えるのではないでしょうか?

「生産コスト」を意識して、ご自分達のライフスタイルに合ったマイホーム選びをしていただきたいと思います。

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